来年から、現行の8%→10%への引き上げが決まっている消費税。でも、消費税が8%のまま据え置かれる「軽減税率」の対象になる商品があったり、ポイント還元の議論があったり…と、なんだかわかりにくい状況に。今何が問題になっているのか、そして私たちの払う消費税はどうなるのか?消費増税をめぐる動きを、一からわかりやすくまとめます。
最終更新日:2018/11/25
※記事の読み方:前提知識を復習したい方は「前提知識」の中のわからない箇所から読んで下さい。最新の動きを知りたい方は「ニュースのポイント」から読み進めて下さい。

前提知識
消費税はいつから10%になるの?
2019年10月からの予定です。もともとは民主党の野田政権時代に2015年に10%に引き上げることが決まっていましたが、安倍政権が2014年に「2017年」に延期することを決定。さらに2016年になって「2019年10月」に延期することが決定され、今にいたります。
- もっと詳しく:これまでの日本の消費税の歴史→nippon.com「消費増税の歴史」
「軽減税率」って何?対象になる商品は?
消費増税による生活の負担を減らすために、生活必需品については今の消費税率8%のままにするという制度です。軽減税率の対象になるのは、分類上はこの2つしかありません。
①お酒と外食・ケータリングを除く飲食料品
②週二回以上発行される定期購読の新聞
- もっと詳しく→国税庁「消費税の軽減税率制度について」
同じ牛丼を買っても「食べ方」で消費税率が変わるって本当?
軽減税率の対象となる飲食料品は「外食」を除くので、同じお店の同じ商品でも、店内で食べるかテイクアウトするかで消費税が変わります!例えば牛丼屋さんで牛丼を注文するとしても、店内で食べるときは「外食」なので10%。テイクアウトするときは軽減税率の対象なので8%になるのです。お店にとってはなかなか面倒な計算になりそうです。
「ノンアルコールビール」は軽減税率の対象になる?
また、お酒の定義はアルコール分1%以上ということで、これを超えてしまう「みりん」は消費税率10%になるのに対し、1%未満の「みりん風調味料」には軽減税率が適用され8%で買えてしまう、という現象も起こります。同じように、ビールは10%だけどノンアルコールビールは8%、ということになります。生活の負担を減らすための軽減税率制度ですが、お店にとっても消費者にとっても、何が軽減税率の対象になるのか?がわかりにくいことが指摘されています。
- もっと詳しく:軽減税率の対象になるものは何か→国税庁「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」
ニュースのポイント
議論され始めた「消費税のポイント還元」とは?
消費税が10%に上がれば、消費者は買い物を控えるようになり、景気が停滞してしまうことが予想されます。そこで消費の落ち込みを防ぐために安倍首相が示したのが、クレジットカードなどのキャッシュレス決済をした場合に5%のポイント還元をするという案です。増税が始まる2019年10月から東京オリンピックが始まる前までの9カ月間実施する方向で議論を進める考えです。欧米などと比べ日本ではあまり浸透していないキャッシュレス決済の文化を、東京五輪前に根付かせるという意味もあるようです。
お得な「プレミアム商品券」が登場する?
そのほかにも消費の冷え込み対策として政府が考えている案が「プレミアム商品券」の販売です。最大2万円分まで買うことができて、2万5千円分使える商品券を発行する案が示されています。案では、この商品券を買うことができるのは、住民税が非課税の低所得世帯と、2歳以下の子供を持つ世帯に限定されることになっています。
※最新の動きがあり次第、順次情報を更新します。
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